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    • 2023.06.02 Friday
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    一定期間更新がないため広告を表示しています


    スカイプを使ったピアノレッスン

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      たまに日本からレッスんを受けにいらっしゃる生徒さんや先生がいらっしゃいます。
      今年の夏もすでにハワイでレッスンをご希望の生徒さんがいらっしゃいます。

      でも、わざわざハワイまで来るというのは大変ですよね。
      旅行もピアノも楽しんでリラックスするにはとってもいい場所だとは思いますが💟

      ところで、
      ターブマンテクニックの第一人者、Edna Golanskky のレッスンをスカイプを使って受けたことは前回書きましたが、
      ”え、スカイプでレッスンって普通にできるじゃん”
      と思い、じゃスカイプレッスンも受け付けてみようかな、、、と思ってます。

      指導者の方で英語のメソッドブックを使ってレッスンしてみたいけど、実際どんな感じでレッスンが行われているのか、、、、、
      とか、
      単純に英語でレッスンが受けてみたい、、、、
      とか、
      単純に私のレッスンがどんな感じだか、興味ある、、、
      とか、

      色々あると思いますが、ご興味のある方はご連絡くださいませ。


      Akiko Sanai Piano Studio
      *****************
      新規生徒さんも随時募集しています。
      ご旅行中のレッスン、8月末に予定の3人のイタリア人ピアニストたちとの合同ワークショップ、レッスンなども受け付け中です。
      スカイプレッスン始めました。

      サイト http://www.pianolessonshonolulu.com にある Inquiry Form(お問い合わせフォーム)からお問い合わせいただくか、
      メール: http://akikosanai@gmail.com、あるいは、お電話(808)620-6979 にてご連絡ください。





       


      ターブマンテクニック

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        ピアノは猫でも音が出せると比喩されるように、誰でも叩けば音が鳴るという面では入りやすい楽器ではないかと思いますが、
        綺麗な音を出しなさい、とかピアノをもっと歌わせなさいとか言われると、弾いてる本人にはどうしたらいいのか、ということがなかなかわかりにくい楽器でもあると思います。

        色々なピアノ奏法がある中、私は今のところターブマンテクニックをもとに演奏をし、レッスンをしています。
        ターブマンテクニックの第一人者、Edna Golansky にニューヨークとホノルルをスカイプでつないでレッスンしてもらったこともあります。

        映像が片道しか繋がらない、という奇妙なハプニングに見舞われ、しょうがないので、Edna は私の演奏を見ることができるけど、私はEdna が説明することを聞いて反応するしかないという珍しいピアノレッスンを経験させてもらいましたが、このレッスンで私にはターブマンテクニックが無理なく演奏するには最適な奏法だということを再認識しました。

        今度は是非ニューヨークに来てね、とEdna に言われて、とっても行きたいんですが、生徒のコンクール出場の準備もあるし、うちでお世話しているホームステイの皆さんのこともあるし、8月には去年来たイタリア人ピアニストたちと合同演奏会の予定もあるし、、、、、プリンストン大学で開催されるセミナーに行きたかったんだけど、今年は無理かなー、、、、

        でも、ワークショップやセミナーの動画がたくさんYoutube にアップされているので、それを見るだけでかなり勉強できるんです。

        生徒たちに説明するときも、ターブマンテクニックはとっても論理的に説明できるので、理解しやすいのか、すぐに演奏に反映されるのがわかります。

        去年アメリカの音楽指導者の協会MTNAのハワイ支部、Hawaii Piano Teacher's Association が主催するコンペのプリレベル(5歳、6歳部門)でうちのスタジオから2位の受賞者が出ましたが、華奢な女の子でもピアノを響かせることができたのは、この奏法のおかげだと思っています。小さな子たちに奏法を伝授するのは根気がいりますが、みるみる音が変わって上達していくのを見るのは先生冥利につきるといったところです。

        この奏法のおかげでピアノを響かせることがやみつきになった子は必ず、グランドピアノを欲しがります笑。
        うちの生徒のグランドピアノ購入率は他のスタジオと比べて高いんじゃないかなー。。。。
        今月も2人グランドピアノを購入しました。
        子供たちが目をキラキラ輝かせながらグランドピアノが家に来たことを報告してくれるのを聞くのは、本当に、本当に嬉しいです。



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        新規生徒さんも随時募集しています。
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        ジャパンに行ってレッスンをさせていただいたのは、、、ずいぶん前のお話ですが笑

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          本当に更新してなかったので、その間の出来事と言ってももう忘れてるくらいで笑

          たまに日本からレッスンを受けにいらっしゃるお子さんや先生がいらっしゃいますが、
          昨年??ですが、なんと10年ぶりに日本に行くことになり、その時にレッスンさせていただいたのが、彩景音ちゃん。

          桐朋女子高等学校音楽科でピアノ専攻をされ、第24回ペトロフピアノコンクールで審査員特別賞を受賞されたという女の子。
          受賞曲はヘンデルのシャコンヌト長調で聴かせてもらったらとてもよく仕上がっていて、音もよく、日本のピアノ学習のレベルは高いなー。と感心しました。

          レッスンさせていただいたのは、最近譜読みを始めたというショパンのボレロ。これはあまり演奏会などで聞く機会がないと思うのですが、なかなか面白い曲です。ボレロといいながらポロネーズ風?という感じですが、譜読みを始めたばかりなのにすでにまとまりつつあります。さすが。

          やっぱり譜読みの能力は大事。。。。いつもうるさく言ってるけど、たまに言ってる私が凹みそうになりそうだけど。。。
          こういう時に、やっぱり。。。。と思います。

          もうずいぶん前の話になりますが。。。。
          きっと素晴らしい演奏だったでしょうね。


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          いったいどうしたっていうんでしょう。

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            この訪問者数は尋常ではありません。

            なんなんでしょうか。

            これだけ数が多くなってくると、好き勝手なことも言えないか、、、とか変に気を遣う、、、わけありませんが、

            なんか意識しちゃうなー。

            なんか書かなきゃいけないなー、っていうプレッシャーを勝手に感じてしまうんですが、

            でもって、どうでもいいことを書いてますが、

            あ、そういえば、先日ハワイ大学音楽部の生徒たちが手分けしてラフマニノフのプレリュード全曲を弾くというプログラムがありました。

            過去にドビッシー、ショパンと挑戦して今回ラフマニノフだったんですが、

            次回はなんでしょうね。

             

            バッハに目覚める

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              わたし、バッハもモーツァルトも好きじゃなかったんですが、

              最近やっと好きになれてきました。

              歳とってきたってことなのかなー。。。

              今はバッハのパルティータ第一番を弾き込んでます。

              あれだけ🎶が並んでると解釈の仕方も無限にありそうで、

              毎日なにか発見するのがおもしろい、ってのも理由かもしれません。

              それにしても、いくつかのブログの中でこのブログが一番更新してないんですけど、

              先日訪問者数見たら他のブログより多くなってて、、あわわ。。。。。

              どうしちゃったんでしょう。。。。

              やっぱりラフマニノフ

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                えーっと、わたしの演奏を聴いて頂いている方はすでにご存知なのですが(ほとんどいつもラフマニノフの曲だから)、

                わたしは、ラフマニノフが好きで好きで、それでピアノを続けているようなものです。

                ラフマニノフといえばロシアですが、
                でも、テレビを見ないわたしは、今みんなが熱中している、あ、でもそろそろ終わるのかな??
                オリンピックについても、何がどうなっているのか、全く知らないんですが、
                (あっ、プーチンが開会式でのアクシデントにぶち切れたらしい!!!というのは知ってますが、、、)

                でもでもでも、
                浅田真央さんのフリープログラムの演技はYouTubeで見ました。
                FB上でたくさんのひとが話題にしていたので、んー、じゃ見てみようかな?と軽い気持ちだったのですが、
                もう感動!涙!

                選曲から、すべてがとっても思いやりのある人なんだろうな、って思いました。
                そしてあれだけのパフォーマンスができるということは相当な練習を積み重ねてきたんでしょうけど、
                でも、観てて、軸が自分にではなく、もっと違うところにあるという気がしました。分かるかなー。。。

                独りよがりのパフォーマンスって、観てても聴いてても心地よくないんですが、
                真央さんのパフォーマンンスはとても心地よく観れました。そして感動しました。
                何にこころを動かされたのか、、、
                多分真央さんのこころに感動したんだと思います。

                音楽も同じだと思います。
                音楽ってただの音の羅列ではなくて、そこからつたわるこころに感動するんだと思います。
                それは、弾き手のこころかもしれないし、作曲者のこころかもしれないけど、
                どんな素晴らしい演奏でも弾き手のこころが感じられない演奏には感動しないなー。

                真央さんのパフォーマンスを観て、すぐに引っ張りだしてきたラフマニノフピアノ協奏曲No.2
                わたしと同じことをしたピアニストが何人もいるはず。。。
                いつかオケと演奏できるといいなー。
                真央ちゃん、この曲選んでくれてありがとう。

                ラフマニノフ





                 

                世界トップクラスの調律師Yoshi Nishimura さんの遺稿

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                  実はまだ書き込み途中なのですが、この記事のアップを首をながーくして待っていらっしゃる方がおいでなので、アップさせていただきます。残りの部分は少しずつ書き足していきます。




                  遺稿といっても、これはどこかで発表されている記事だと思うのですが、、

                  世界的な調律師、故Yoshi Nishimura さんについては何度か記事にさせていただきました。

                  昨日、久しぶりにMozart Music House にお邪魔したら、奥様からわたしに渡そうと思って用意していたものがあるの、と手渡していただいたのが今日ご紹介するYoshi さんのインタビュー原稿です。

                  奥様はインタビューを受けた事さえ知らなかったそうなのですが、これがどこで発表されたのかは分かりません。コンピューターの中の書類を整理していたら出てきたそうです。

                  以下、その原稿です。
                  (かなり長いです。)

                  *******

                  調律師
                  西村佳久さん

                  ーピアノがあなたを愛してくれるまでピアノを愛しなさいー

                  ただの調律師ではありません。西村さんはなんとウラジミール・アシュケナージのような世界のトップピアニストを顧客とする超一流の調律師、ホノルルシンフォニーなどの交響楽団の仕事も手がけていて、アジア最大のピアノコンクール、香港国際ピアノコンペティションでも調律師を務めています。

                  インタビューに伺った日はモーツァルトの誕生日。この日は西村さんのピアノショップの創立34周年記念日でもありました。美しいピアノがずらりと並んだ優雅な空間でピアノについての深〜いお話を伺いました。


                  ーまずは音楽との出会いを教えてください。

                  「私は広島、宮島の生まれです。子供の頃はカメラマンか報道記者になりたかったんです。ピアノは一切関係なかった。

                  50年代後半のあの頃はジャズが非常に盛んで、私もクラリネットを買ってもらいましてね、広島でトップの先生について始めはジャズを練習していたんですが、音楽って深いですよね、だんだんクラシックに持っていかれたんですよ、その先生に。高校を卒業して浪人中に、広島放送管弦楽団でクラリネットの2番を吹いていました。

                  当時叔母が山口県の柳井でヤマハのディーラーをやっていました。私は音楽も機械いじりも好きだから調律師にもってこいだと思われていましてね、跡を継がせるつもりだったようです。強引に勧められたのですが、その気はまったくない。でもクラリネットの先生に相談してみると”つぶしがきくから行って来い”といわれましてね。(笑)。大学を出てジャズをやるならなにか資格でもあったほうがいいだろうということでね。それでヤマハの学校に2年行くことになりました。

                  2年で学校が終わってから大学に意向と思っていたんですが、ヤマハの組み立て工場のトップの人たちとのふれあいがとても興味深くて、それを振り切って大学には行けないと思いまして、それがこの道への始まりですね。」


                  ーハワイに来た経緯は?

                  「柳井に戻って、最初はピアノのセールスとか、色んなことをやりました。そのうちにコンサートチューナーの養成所ができまして、外国に出る気はあるかと聞かれたんです。”はいあります”と答えると、”じゃあ英語を勉強しておけ”と言われました。

                  それから3ヶ月後に松山さんという重役の方から電話がかかってきて”もう話せるようになったか?”と聞かれまして、そんな無理なねえ(笑)。”まだスタートしたばかりです”と答えたら”これはなかったことと思え”と電話を切られてしまいました。モントリオールに調律師学校を作っているので、私を講師にしようと思っていたんですね。

                  一晩かけて浜松まで行くわけにもいかなかったので、私は手紙を書きまして”これはフェアじゃない。教えるにしても技術はもちろん大事だけれど、一番大切なのはハートです”と書いたんですね。しばらくしたら返事が来まして、今度は”ホノルルに行く気はあるか?”と聞かれました。もちろん”はいあります”と答えました。

                  それが1970年のことです。それからずっとここにいます。

                  イージー・ミュージック・センターがヤマハのディストリビューターで、そこで5年間修理屋を務めました。ピアノだけでなく管楽器の修理、エレクトーンの修理、なんでもやっていました。

                  こちらでは壊れている楽器がたくさんたまっていたんです。それで私が来るのを皆待ち望んでいたんですね。ハワイ行きが決まってからグリーンカードが出るまでに3年かかりましたから。土曜日と日曜日は休みと聞いていましたから、休みの日はハワイの海に入るのを楽しみにしていたんですが、そんな状態なので休む暇も無い。結局週7日、朝の9時から夜の9時まで働いていました。海に入れないまま今まで来てしまいましたね(笑)。

                  1970年といえばアメリカがピークの時代。1ドルまだ360円、日本との格差はものすごく大きかった。比べられないくらい裕福でした。

                  それから、ピアノひとつ修理しても、みんなの反応が日本とは全然違う。いい仕事をするとみんなものすごく評価してくれるんですね。

                  昔はハワイでもピアノがものすごくうれたんですよ。ホテルストリートにスタインウェイを中心にしたピアノ専門店があって、アメリカのピアノがずらりと並んでいた。1950年代にその店でマネージャーを務めていた方に先日たまたまお会いしたので、当時どれくらい売れていたのか伺ったところ、なんと月に300台も売れていたそうですよ。特に日系人の人たちによく売れていたようです。

                  それと同じことが中国で今起こっています。上海だけで年間4000台売れるそうですよ。」



                  ーベーゼンドルファーは日本では幻のピアノだった。213は私のモデルです。ー

                  ー今日は創立記念日ですね。おめでとうございます。ヤマハから独立したきっかけは?

                  「この店をオープンしたのは1976年の1月27日です。

                  私がハワイに来て3年目にヤマハがイージーのディーラーシップを失ったんですね。代わりにカワイが来ました。ヤマハとしては、すぐに私が日本に帰ってくると思ったんですね。私はイージーに仕事に来たわけですから、後継者もいないのにそのまま帰るわけにはいきません。仕事は山積みのままでしたからね。1年でテクニシャンを育ててからと考え、もう1年いることになりましたと、松山重役に手紙を出しました。

                  松山さんからは「俺は君の生き方が好きだ。あと一年で終わるならその後浜松に帰ってきてもいい。ホノルルで独立するのも男らしくていい。自分の好きな方法を選びなさい。もしもなにか困ったことがあれば、その時は面倒をみるから心配しなくていい。」といって頂いて。ありがたいことにお世話になるようなことにはなりませんでしたが、この言葉は生きていく上で本当に支えになりました。自分の人生で重要な人を3人挙げろと言われたら、松山重役はその中のひとりです。

                  結局2年イージーに残って、それから独立しました。」


                  ーここにはピアノがたくさんありますが、メーカーによる違いなどを教えていただけますか?

                  「ヨーロッパでピアノといえば3Bと言いまして、ベヒシュタイン(Bechstein)、ベーゼンドルファー(Bosendorfer)、ブリュートナー(Bluthner)、この3つはピアノを弾かない人でも誰でも知っています。

                  ブリュートナーは元々東ドイツのメーカーで、一時経営が難しい時代もありましたが、今は経営が創業者のファミリーに戻りまして、またこれから良くなってくると思います。

                  ベヒシュタインは最古のピアノ。ベヒシュタインはスタインウェイと同じ”ジャーマンサウンディング”と呼ばれるタイプです。いかにダイナミクスさを出すかというパーカッション的なピアノです。

                  ベーゼンドルファーが求めたのは”シンギングサウンド”。これが基本にある。ベヒシュタインとは方向性が違います。

                  一生懸命仕事をしていますと、そのピアノの良さが出てきますね。スタインウェイの良さもよく分かってますし、ベヒシュタインの良さもよく分かってますが、私個人としてはベーゼンドルファーが一番好きです。

                  どこが好きかと言うと、そうですねプーリングパワーといいますか、惹きつけられる力が強い。

                  ベーゼンドルファーは日本ではまだ幻のピアノだった。ハワイに来て初めて携わることができたんです。ベーゼンドルファーのディーラーになるには、最初に3台の在庫が必要だったのですが、友人が買ってくれたんです。ひとりはアーネス・チャンさんというハワイで一番のピアノの先生です。ジュリアードを卒業してから指導者としてハワイで活躍しています。

                  その年にベーゼンのオーナーがここに来ました。ロサンゼルスでNAAMショーという大きな楽器のトレード・ショウが毎年ありまして、その後でいらしたんですね。”ピアノはどこにあるのか”と聞かれたんですが、ピアノはすべて納品してしまったから、ここにはない。”ピアノはすべてオーナーのところにあります”と答えると、”ああそう”で終わりました。社長も非常に喜んで帰られましたけど、帰る前に”いつウィーンに来るの?”と聞かれ、”今年伺う予定です”と答えると、じゃあ待ってるよと言われました。その年の夏にウィーンに行きまして、それがディーラーになった始まりですね。

                  ベーゼンはピアノの長さで名前を呼ぶんです。213というのは私のモデル。このピアノには私のアイデアが入っているんです。私はこの長さでこういうスタイルで、スタインウェイのBと対抗したいとお願いしたんです。それが実現しました。

                  84年にウィーンに行った時に次のシップメントを決められたんです。でも商品を送ってもらうとなると、大変なお金がかかります。もちろんそんなお金はありません。ピアノを担保にしてお金を借りようと思ったのですが、ピアノは担保にしてくれないんです、車みたいには。ウィーンの方ではいつピアノを送ろうかと待っている。その時に銀行の外国部の方がLCを書いてくれたんです。おかげで無事ピアノを送ってもらえまして、本当に助かりました。

                  以前シンフォニーの仕事でシンガポールにスタインウェイを直しに行ったことがありました。そこでは代わりにベーゼンを使っていたんですが、スタインウェイが直ってしまうとベーゼンの置き場がない。きちんと管理された部屋に置いておかないとピアノは全部壊れてしまいます。マネージャーはベーゼンを送り返そうとしたんですが、私はそれはやめなさいとお願いしましてね。リハーサルホールにスペースがあったので、そこに置くように進言しました。いらなくなったからといって突き返したら、スタインウェイが壊れている間にサポートしてくれたベーゼンのディーラーに申し訳ないですからね。それを聞いたディーラーがとても喜んでくれたと聞いています。

                  1990年に作られたエンペラーというモデルは、世界的に有名なハンス・フォーラインによってデザインされました。足がブラスでできていまして、この足に当たる振動でいつものベーゼンとはちょっと違う音に仕上がっています。足1本で250パウンドの重さがあります。明治天皇にオーストリアから贈られたピアノがイメージされているのですが、戦災にあってオリジナルは焼けてしまった。

                  20台作られて価格は約25万ドル。このピアノ、実は私が世界で一番たくさん売ったんです。全部で7台売りました。一番売れたのが韓国でした。赤い色が唐辛子の色のようでそれが受けたのかもしれませんね。まずアートギャラリーに入れまして、そこから韓国で新しいルートを作りました。

                  そうやってヤマハからベーゼンを扱うようになって、そのベーゼンがヤマハの子会社になってしまって、なんだか孫悟空がお釈迦様の手の上にいるような感じですね(笑)。

                  でも、どうでしょうね、ヤマハの傘下となると・・・・・・ヤマハのシステムの中ではこの小さなピアノメーカーは育たない気がしますね」



                  ーああ、この人の仕事ができればいいなと思いましたー


                  ー西村さんはなんとウラジミール・アシュケナージの調律師も務めているそうですね。出会いはどんな感じだったのでしょうか?

                  「アシュケナージは私の人生に大きな影響を与えた3人の方の中のもうひとりです。彼は去年までNHK交響楽団で指揮者を務めていましたが、今はシドニー交響楽団に移りました。今世紀最高のピアニストのひとりです。クラッシックのCDの売り上げが累積で1位の方です。

                  87年に初めて彼の仕事をしたんですね。スイスのルガノの自宅のピアノの状態がおかしいと相談されまして、それ依頼ずっと彼のプライベート・テクニシャンを務めています。

                  不思議なものですね。この人がチャイコフスキーのコンペティションで1位になってすぐにレコードを出したんです。まだ私は日本にいた頃1965年くらいですかね。それを聴いたときに”ああ、この人の仕事ができたら幸せだな”と思ったんです。それからずっと彼に注目していたら、彼の方から来てくれたんです。

                  アシュケナージはアジアで一番大きいピアノコンクール、香港国際ピアノコンペティションでチェアマンを務めています。3年に1回開催されていまして、今年で3回目を迎えます。パスカル・ロジェ、ピーター・フランクル、クリスティーナ・オーティスなど錚々たるメンバーが審査員に名を連ねています。私はここの調律師も務めています。

                  朝の9時から翌日の朝9時まで24時間ぶっ続け仕事をしたこともあって、ハードですが、とてもやりがいがありますね。調律というのは前もってできないんです。できるだけ演奏の直前に仕上げたほうがいい。

                  歌を歌う人たちは、朝は絶対歌わないですよね。ピアノも同じ。夜の演奏に備えてサイクルを合わせていかなければなりません。朝調律するのは良くない。ピアノの場合は大きいから、その分影響湿度や気温の影響を受けます。ステージのピアノは必ず演奏会の前に調律しなければならない。調律というのは演奏会の直前にやるのが調律なんです。

                  コンサートホールというのは建物自体が安定したエリアなんですよ。一度安定したら、気温湿度はあまり上下しないようになっています。私は必ず私が仕事を始める2時間前にエアコンを入れてもらうようにしています。2時間も前に空調を入れたら電気代もかかりますが、これはもう仕方ない。気温や湿度が安定してピアノが慣れてからでないと調律はできないんです。1時間前ではピアノにタッチすることができません。いつエアコンを入れたかは、これはもう見ればすぐにわかります。

                  チューニングピンが230から243本、これを同じ位置にセットしなければならない。一度きちんとセットできたら、今度はピンを回さないで曲げるだけで調節していきます。ピンを全部揃えて、サウンドボードにテンションをかけてから修正していく。それがきちんとできあがりますと2時間半の演奏中に温度や湿度が多少変わっても問題ない。バイオリンの人なんかがよく演奏の途中で弦を直しているでしょう?あれは演奏で弦が伸びてチューニングが狂ってしまうから、それでやり直しているんです。それをピアノもしなくちゃならないんですが、240本もどうやってやるか?演奏中に直すことはできませんよね。ですから安定した環境を作らなければなりません。直接ピアノに光が当たったりしないようにセッティングします。調律というのはすべてを見てサポートするものなんです。

                  来年私は70歳なんですよ。来年もこの香港国際コンペティションの仕事を続けることが目標なんです。」


                  ー一流のピアニストは決してピアノを叩かない。彼らはピアノを弾いているわけではなく、音楽を作っているんですー

                  ーその目標は簡単に達成できますよ!ところで西村さんもピアノは弾きますか?

                  「それは来世の目標です(笑)。大学に入るためチェルニーとか少し練習したことはありますが、周りの人が上手だから(笑)。

                  ”ちょっと音をだしてくれ”と言われたら、恥ずかしいけれど出したりはするんですけどね。

                  この仕事をしていると指は左の方が大きくなるんです、こう、叩くから。ほら大きいでしょ?

                  ピアノの前を通りすぎる時、ピンピンピンと鍵盤を叩いていく人がよくいますよね。あれば我々にとっては一番嫌なことなんです。カッと叩かれるとカッとくる。胸を突き刺されるような気持ちがします。すごく心が痛い。ピアノは絶対に叩いてはいけない。

                  チューニングする時は息を止めているんです。弓で的を狙う時なんかと同じですね。ゆっくり呼吸して、チューニングピンを固定するときにふっと息を止める。そうやってひとつひとつ
                  調律しているわけですからね。あれはやらないでほしいですね。」



                  ーピアノの音に基準はあるのでしょうか。どんな音がいいまたは悪いという。

                  「どんな音がいい音なのか、基準はあるんです。あるんですが、人によって感じ方に差がある。ピアノというのは、これほどアンミュージカルな音の楽器は他にないんです。特に高音。あんなに無理をして出している音はない。私のお客さんの飼っている犬はピアノが大好きでいつもピアノの下にいるんですが、高音を叩くと飛び出してくるんです。それくらい嫌な音なんですね。心に突き刺さるような音。それはミュージカルな音とは言わない。

                  一流のピアニストは決してピアノを叩かない。音楽というのはオーケストレーション、つまりシンフォニーなんですね。一流のピアニストはピアノを弾いているわけじゃなくて、音楽を作ろうとしているんです。そういう音を作るために私も努力していますし、弾く人も努力している。あの胸を突き刺すような音を出さないように努力しているので、弾く人も非常に楽に弾けるということに繋がって、好んで私を使ってくださっています。

                  理想のピアノの音はどんなものだと思いますか?我々がいい音を作ろうとするときに作る音は”ヒューマン・ヴォイス”なんです。シンガーの声にいかに近づけられるか。

                  例えば、チェロの音は人間の声とすごく共鳴しますよね。なぜかというと、チェロの音は人間の声に近いから。バイオリンはちょっと甲高い。それは音域だから仕方ない。それをいかに甲高く聞こえないように弾くかというのと同じことでね。」


                  ー調律師としてもディーラーとしても西村さんほど成功している方はなかなかいないと思います。成功の秘訣は?

                  「成功の秘訣ですか?成功しているというか・・・・・・(笑)、調律師というのは、ピアノの音をひとつひとつ作っていく仕事。一般の方にはおそらくわからないでしょうし、ピアニストにもわからない部分があるような仕事です。そこで満足感を得られるのはピアノとの関係なんですね。それを感じられる力をつけないと駄目です。

                     

























                  草枕

                  0
                     天才ピアニストグールドが愛読していたという夏目漱石の草枕を読んでます。

                    深ーい。
                    いや、非常に深ーい。
                    芸術家と自称でも他称でも多少は芸術に携わっている人は絶対読んでおくべきだとおもう。

                    ていうか、読んでないのは私だけだったりして。

                    ちなみにわたしは探してたらフリーのサイトがあったので、ただで読ませていただいてます。


                    出だしのところはどこかで聞いたことあるなー、って思いますよ。きっと。




                    お友達もピアノの先生

                    0

                      お友達のJoyceとのツー・ショット。



                      先日、Waikiki Parc Hotel にて、ハワイ大学の人文学部 へ寄付をした人を招待してのAppreciation Pary があったのですが、招待されたJoyce がわたしをゲストとして同伴してくれました。

                      Joyce とは、よく一緒にコンサート、ピアノ・リサイタルに出没します。Joyce もハワイ・カイ在住なので、お互いの車に乗りあって、いざリサイタルへ!という感じです。

                      レッスンに熱中していると、すっかりリサイタルがあることを忘れてしまうので、Joyce が”これから家を出るわよ!”コールをしてくれると本当に助かります。待ち合わせの場所までは3分なので、電話のあと、生徒に来週までの課題のお話をして、それから家を出ても充分間に合うのです。

                      Joyce はとても熱心なピアノの先生で、素敵な女性で、ちょっと天然っぽいところがとってもキュートです。実はわたしの母と同じ年の生まれだということが最近判明して、ちょっとびっくり。

                      タイプは違うけど、そういえば何となく似てるところがあるかなー。

                      次のわたしたちの出没地はLang Lang のライブ演奏を上演するIMAXシアターです。



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